地方上級と市役所上級の公務員試験について解説

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大卒程度の公務員試験を目指しており、地方上級と市役所上級の違いを知りたい方はぜひ参考にしてみて下さい。

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地方上級と市役所上級の違い、公務員試験の日程、難易度、対策を紹介

地方上級と市役所上級の違い、公務員試験の日程、難易度、対策を紹介

就職に関して地元志向が高まる中、安定した職業として根強い人気を誇る地方公務員は、親が子供に望む職業でも常に上位にランクインしています。

たしかに地方公務員に採用されると、実質的な終身雇用制度と福利厚生の充実、そして何といっても社会的信用が高いなど多くのメリットがあります。

現在、県庁や市役所への就職を検討している高校生、大学生、大学院生も多いでしょう。今回は、地方公務員の中で、地方上級公務員試験と市役所上級公務員試験の難易度の違いや公務員試験の概要、難易度、公務員試験対策についてくわしく解説します。

目次

地方公務員とは

地方公務員は、各都道府県庁や市役所などで働く職員のことです。県庁や市役所の職員をはじめ、警察官や消防官、教師や保育士など、さまざまな職種が地方公務員に含まれます。

全国では270万人以上が県庁や市役所などの職員として採用されて働いており、公務員全体の8割ほどが県庁や市役所の職員です。県庁や市役所の職員として採用され働くには、地方公務員試験を突破しなければなりません。

地方公務員試験とは

市役所の公務員試験とは

地方公務員試験には「初級」「中級」「上級」の3種類があり、それぞれのレベルは「高卒程度」「短大卒程度」「大卒程度」となっています。

「大卒程度」は試験の難易度を指すもので、大卒や大学卒業見込の人という意味ではありません。年齢制限の範囲内であれば高卒でも受験が可能です。

実際、大卒の方以外でも高卒の方、民間企業などを辞めた方、フリーターの方が受験されるケースも多数みられます。

地方上級公務員試験の日程(2022(令和4)年度)

地方上級公務員試験は、職種区分により日程が異なります。ここでは、職員の採用人数が最も多い「行政職」を例に挙げて紹介します。

地方上級公務員試験の日程は、2022年度は6月19日(日)でした。

一部自治体(東京都/特別区/大阪府/大阪市/北海道)では独自日程です。

受験料は原則無料で、日程が重複しなければ複数の受験が可能であるため、

出題科目が重なる同一職種の試験を併願で受験する人が多くいます。

試験の日程は、状況により延期、または中止になることがありますから、受験の際は志望する自治体に確認するようにしましょう。

【2022(令和4)年度 地方上級行政職】

受験案内配布 3月下旬~4月下旬
受験申込受付期間 4月上旬~6月上旬
第一次試験日 6月19日(日)
第一次試験合格者発表 7月上旬~7月中旬
第二次試験日 7月中旬~8月中旬
最終合格発表 8月上旬~8月下旬

地方上級公務員試験の内容

地方上級公務員試験は、第一次は筆記試験、第二次は個別面接等です。

第一次筆記試験では、大卒レベルの教養科目と専門科目が出題され、地域ごとに差はあるものの、それぞれ40問ずつ出題されます。

第二次試験では個別面接、または集団討論を実施する自治体がほとんどですが、中には適正試験や論作文のみ、教養試験のみ、またはES(エントリーシート)と面接で職員の採用を決める自治体もあるため、事前に志望する自治体に確認するようにしましょう。

地方上級公務員試験|第一次筆記試験

地方上級公務員試験の第一次筆記試験で出題される教養科目は、大卒レベルの数的処理や文章理解、人文科学、自然科学、社会科学、時事問題などからほぼ均一に出題されます。

一方、専門科目は、行政事務系は「憲法」「民法」「行政法」「労働法」などの法律や経済に関連した内容、技術系は「土木」「建築」「機械」等、各職種別に専門的な内容が出題されます。

地方上級公務員試験|第二次個別面談等

地方上級公務員試験の第二次試験では、ほとんどの自治体で出願時にES(エントリーシート)を提出し、個別面接や集団討論を採用しています。

また適性試験や論作文を第一次試験や第二次試験で実施する自治体もありますが、これらの試験の内容は各自治体により異なります。

志望する自治体の試験内容は早めに情報収集して対策しましょう。

地方上級公務員試験対策(出題傾向)

市役所の公務員試験の日程

地方上級公務員試験の筆記試験のうち、教養記述は各自治体ごとに独自の課題が出題されますが、「教養択一」「専門択一」試験は出題科目や出題数によって「全国型」「関東型」「中部北陸型」「独自型」に分かれます。

例えば全国型では、教養試験50問、専門試験40問で、合格ラインは公表されていませんが、おおむね6割取っていれば合格できると考えていいでしょう。

自治体によっては、各試験の配点を公表しているところもありますので、ネットで調べてみることをおすすめします。

地方上級公務員試験対策(勉強方法)

地方上級公務員試験で出題される科目は大変幅広く、合格に必要な勉強時間は約1,500時間といわれています。これは一年勉強する場合は1日約4時間、半年なら1日約8時間勉強する計算になります。

独学で効率良く勉強するなら、ひたすら過去問、過去問の答え、テキストに戻り過去問の周辺知識をつける、という勉強方法をおすすめします。

独学での合格に自信がない場合には、資格スクールなどに通うことで合格率を上げることが期待できます。

地方上級公務員試験対策(論文)

地方上級公務員試験では論文がほぼ全ての試験で出題されます。テーマは「人口の減少」や「暮らしやすい街づくり」など、その自治体が抱える問題がテーマに選ばれることが多いので、志望する自治体の抱える問題については事前にしっかりチェックしておきましょう。

論文の採点基準は「正しい日本語で記述されているか」と「論文の論述が優れているかどうか」です。配点は決して低くないため、論文を書く際には丁寧に正しい日本語で理論的で分かりやすい文章を心がけましょう。

地方上級の公務員試験に合格、採用されると

地方上級公務員試験で合格し、職員として採用されると、将来の幹部候補生という立場になり、初級や中級の公務員試験合格者の職員と比べて給与等の待遇面で優遇されます。

また昇進や昇級についても、自治体によってシステムは異なるものの、一般的に地方上級公務員で採用された職員は昇進するスピードが速く、昇進できる上限も高いとされています。

地方公務員職員の仕事内容とは

地方公務員は、主に行政職と呼ばれる事務系職員、建築や土木などの技術系職員、看護師や保育士、教員などの資格免許系職員、警察官や消防士などの公安系職員の4つに分かれており、それぞれ各自治体が対応する仕事をしています。採用後に働く場所は、都道府県庁や市役所、警察署の他、それらの出先機関などとなります。

ここでは、主な業種ごとに仕事内容を紹介します。

事務系

行政事務に携わる事務系職員は、採用人数が最も多く、県庁や市役所、その出先機関などが勤務先となります。

仕事内容は部署により様々ですが、初級が定型的な事務処理を担当することが多いのに対し、大卒レベルの地方上級職員は、政策立案、予算、税金、都市開発、環境、福祉などの、行政にかかわる業務を担当します。

また、公立学校の事務職、警察署などに勤務する事務職員も、地方公務員に含まれます。

技術系

技術職は専門的な知識を生かし、土木職、農学職、化学職、建築職、機械職、電気電子職、情報職、畜産職などの専門分野に関する業務を行います。

例えば土木の場合、各自治体の土木課や道路課、公園課、河川課、水道局に配属され、地域の街づくりに携わります。

大卒レベルの地方上級職員は幹部候補生として企画や統括、他部署との連携を図るような横断的な仕事を担当することになります。

資格免許系

地方公務員の中には、看護師や保育士など、資格や免許が必要なものもあります。公務員看護師、公務員保育士になるには、国家資格を取得した上で地方公務員としての採用試験に合格しなければなりません。

公務員看護師の場合、各自治体運営の公立病院や保健所、公立保育所、公立幼稚園などに配属されます。

公安系

警察官や消防士などの公安系は、地域の治安維持に加え、犯罪や火災の予防のための防犯教育や防災教育活動を行うのが仕事です。

全ての警察官は公務員ですが、地方公務員の警察官は各都道府県警に所属し、同都道府県内の警察署や交番や運転免許センターなどに配属されます。

地方上級採用の職員は昇進スピードが速く、採用後2年で巡査部長昇任試験の受験資格が得られ、警部までは試験に合格すれば昇任が決定します。

市役所上級とは

試験内容

「市役所上級」とは、各自治体で行われる「市役所上級試験」のことです。「上級」とは試験の難易度のことで大卒程度レベルを表しますが、高卒の方でも受験は可能です。

県庁職員上級公務員試験と比べて試験科目が少ないケースもあるため、市役所の採用試験のほうが難易度が下がるといわれています。

そのため、毎年試験の倍率が高く、大卒レベルの市役所上級職員として採用されるにはしっかりとした試験対策をする必要があります。

市役所上級試験の日程

市役所上級試験の日程は、市役所など各自治体により異なりますが、「A日程」「B日程」「C日程」「D日程」と、筆記試験の実施日によって分類されています。

試験の日程が重ならなければ、いくらでも併願が可能です。

そのため、市役所上級公務員試験の倍率は非常に高いといわれています。

県内の市役所上級公務員試験を併願する予定の人は、事前に志望する市役所に試験実施日を確認しておくようにしましょう。

【市役所採用試験日一覧】

A 6月第4日曜日 道府県庁や政令指定都市、県庁所在地の市役所
B 7月第2日曜日
C 9月第3日曜日 この日に実施する市役所が多い
D 10月第3日曜日

※上記の表は、毎年概ね市役所上級公務員試験が実施される日程をまとめたものです。自治体によってはその年に募集採用がない場合もありますし、日程が変更になることもありますので、受験される際は再度ご確認ください。

市役所上級公務員試験の内容

市役所上級公務員試験の内容で多いものは下記のとおりです。

【第一次試験】

  • 教養試験
  • 専門試験(択一式)
  • 小論文試験

【第二次試験】

  • 面接
  • 集団討論(グループディスカッション)

市役所上級公務員試験の日程による違いとは

市役所上級公務員試験では、自治体ごとにA日程、B日程、C日程(自治体によりD日程もあり)に分かれており、日程が重ならなければ併願が可能です。

県庁所在地のある市や比較的大きな市の試験はA日程で、教養試験(基礎能力試験)と専門試験に、地方上級の試験問題を含みます。つまり地方上級と市役所上級のA日程は、筆記試験のレベルが同程度ということです。

B日程は、A日程と比べて科目が少なかったり、筆記試験の問題が易しい、といった違いがあり、C日程ではさらに難易度が下がります。

市役所上級の公務員試験受験対策

市役所職員採用の公務員試験の難易度

市役所上級の公務員試験対策は、まず筆記試験に重きを置きましょう。

なぜなら筆記試験に合格しなければ第二次試験の面接に進めないからです。

筆記試験対策については、地方上級公務員試験と同じ勉強で対応できます。

とくに教養科目は、職種が違っても出題傾向が大きく異なることはありませんので、同じ問題集や参考書、対策本を使って対策することが可能です。市販の「市役所試験過去問題集」を繰り返し解いてみるのも効果的です。

市役所上級公務員試験の勉強方法

市役所上級の公務員試験では、民間の就職試験と比べて出題範囲が広いため、効率良く勉強する必要があります。

筆記試験には「教養択一」「専門択一」「教養記述」「専門記述」があり、職種によって組み合わせが異なりますが、このうちの「教養択一」と「教養記述」はほぼ必須です。「教養択一」の中では「数的処理」の出題が多くなるため、「数的処理」の勉強から始めるのがおすすめです。

また、「専門択一」はほぼすべての職種で出題されるため、「憲法」「民法」「行政法」「経済原論」を勉強するのが効率的です。

なお、独学での勉強法に不安がある人や、確実に合格を狙うには、LECなどの資格スクールや公務員試験対策予備校を利用する方法もあります。

市役所上級公務員試験の面接対策

市役所上級公務員試験は、倍率が非常に高くなりますが、筆記試験は比較的通りやすいものの、2次試験以降は突破が難しくなる傾向があります。

とくに地元の市役所以外に志望する場合は、志望理由を厳しく質問されるため、しっかり面接対策をしておく必要があるでしょう。

面接での採点基準は、何かにすすんで取り組む「積極性」、他者の意見に耳を傾ける「協調性」、自分の考えを論理的に伝える「表現力」、真摯な「態度」です。これらを意識して面接に臨みましょう。

市役所職員の仕事内容

職員採用試験の勉強法と対策

市役所上級公務員試験で合格し、職員として採用されると市役所内、または出向先などに配属されます。

市役所では、戸籍謄本や住民票の発行などの各種手続きや、こどもや高齢者、または障がい者の支援や相談、生活インフラの整備といった市民の生活をサポートする役割を担うことになります。

まとめ

まとめ

地方公務員職員は、地域をより住みやすい場所にする役割を担っています。

そのために必要な能力があるかどうかを筆記試験や面接などの方法を通して見きわめるのが地方公務員試験というわけです。

地方上級や市役所上級の公務員試験を通過して採用される地方公務員は、昇進や待遇面で優遇されており、育児休暇や介護休暇といった制度も充実していることからワーク・ライフ・バランスの実現が可能な職業といえます。

地方上級、市役所上級の地方公務員での採用を目指すのであれば、効率的な試験対策を行い、万全を期して合格を目指しましょう。

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