公務員試験の服装マナー

公務員試験を受験する際の洋服は何を選べばよいのか迷っている人もいるでしょう。私服でも良いのか、それともスーツの方が良いのかどちらが適しているのでしょうか。
筆記試験や論文試験などが行われる一次試験は私服でも問題ありませんが、面接などを受ける二次試験ではスーツの着用がふさわしいです。
ほかにも、公務員試験を受験する際の服装や身だしなみで気を付けたい点もありますので、この記事で詳しく解説していきます。
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公務員試験の一次(筆記)試験は私服が多数

公務員試験は、筆記試験がメインの1次試験と面接などがメインの二次試験がありますが、それぞれで適した服装が異なります。
公務員試験の一次試験(筆記試験)では、服装に関して指定されていることはほとんどないため、私服で受験する人が多いです。中には、リクルートスーツで受験する人もいますが少数派です。
なお、国家公務員試験の概要には「服装は普段着で良い」と記載されていますので、ふだん着ている服装で良いでしょう。
Q.第1次試験当日は、どのような服装がよいのですか。
A.普段着(軽装でも可)で構いません。【引用】国家公務員採用試験に関するQ&A
https://www.jinji.go.jp/saiyo/siken/qanda.html#%E3%83%A9%E3%83%99%E3%83%AB%EF%BC%98
もちろん、県庁や市役所などの地方公務員試験を受験する場合も同様で問題ありません。
派手で目立ちすぎる服装は避ける
公務員試験では服装の指定がないとはいえ、派手で目立ちすぎる服装は避けましょう。
公務員試験の一次試験(筆記試験)では服装のチェックはされませんが、常識の範囲内の服装を心がけることは必要です。というのも、公務員は幅広い年齢層の住民に対応する業務が多く、不快感を与えてしまうような服装はふさわしくないためです。
また、あまりにも不適切な服装の場合、受験番号から受験者を特定され二次試験の面接時に不利になる可能性が全くないとも言い切れません。
公務員試験の一次試験(筆記試験)を受けるときから、こういったふさわしい服装を選べるようにしておくと良いでしょう。
体温調節ができる服装
公務員試験の1次試験(筆記試験)は、6月から9月といった暑い時期に行われることが多いです。とはいえ、気温が低いときもあったりエアコンの風が直接あたってしまったりと肌寒く感じることもあるでしょう。
そのため、吸汗性や通気性のある洋服のうえに、カーディガンなど羽織るものを合わせるような服装だと調節ができるのでおすすめです。
社会人採用枠はスーツも多い
公務員試験の中には、社会人採用枠を導入しているところもあり、受験者の年齢が高くなることもあります。すでに社会人経験のある人はスーツで受験することに抵抗がない人もおり、私服ではなくスーツで受験する人も多いようです。
スーツでの受験者が多い場合、私服だと浮いてしまうのではないかと不安な人は、スーツで受験するのも良いでしょう。しかし、特に服装を指定されていないのであれば、無理にスーツを着て緊張してしまうより、リラックスできる私服を選んでも良いでしょう。
男性・女性とも「オフィスカジュアル」がおすすめ
公務員試験の服装は私服でも良いとされる一方、目立ち過ぎは避けた方が無難ということになりますが、具体的にはどのような服装が望ましいのでしょうか。
結論をいうと、公務員試験の服装としては「オフィスカジュアル」を意識した私服がおすすめです。オフィスカジュアルとは、スーツからカジュアルダウンした服装で、カジュアル過ぎないきちんと感が伝わる服装のことをいいます。
具体的には、男性の服装は襟付きの派手過ぎないシャツにチノパンを合わせ、革靴を履くといったような感じです。公務員試験を受ける前にしわを延ばしたり靴を磨いたりしておくと、清潔感があり好印象です。
また、女性の服装はシャツの襟はあってもなくても良いですが、胸元や肩などの露出のない服装にします。スカートの場合は丈が短かすぎないもので、パンツの場合は男性同様チノパンが良いでしょう。
なお、ネイルやアクセサリーは派手なものは避け、控えめなデザインや色合いのものを選びましょう。
公務員試験の二次(面接)試験の服装はスーツ

公務員試験の二次試験は、一般的に個人面接やグループ面接、グループ討論、専門試験などが行われます。そして、二次試験の服装はスーツを着用していくことがマナーとなります。
公務員試験の一次試験(筆記試験)とは異なり、受験者も絞られていることから服装チェックまでしっかり行われます。また、公務員として適した人物かどうかも判断されるため、スーツを着用し好印象を与えることが大切です。
新卒者はリクルートスーツ、転職者はビジネススーツ
公務員試験の二次試験の服装はスーツを着用しますが、年代や職歴によってスーツの種類が異なります。
大学を卒業したばかりの20代の人は就職活動で着用するリクルートスーツで良いでしょう。リクルートスーツは街中のスーツ販売店や大型ショッピングモールなどで販売しているので、自分のサイズや雰囲気に合ったものを選びましょう。
一方、転職して公務員試験を受験する人は、新卒者と同じリクルートスーツではなくビジネス向けのスーツを着用しましょう。新しいスーツを購入する必要はなくふだんから着慣れているもので問題ありませんが、派手な色やデザインのスーツは面接を受ける側として不適切なので避けましょう。
スーツの色は、男性ならグレーやダークグレー、濃いブラウンなどが、女性ならグレーやサックスブルーなどが清潔感があり、なおかつ堅実な印象があるのでおすすめです。
クールビズでも良いケースもある
公務員試験の二次試験は夏の暑い時期に行われることが多いため、クールビズでも良いのかどうか迷う人もいるでしょう。特に、クールビズは国が推し進めている省エネ対策でもあるので、公務員試験でもそのように対応すべきか悩むところです。
公務員試験の案内で、服装について「クールビズでも可」、「軽装でも結構です」と記載されていれば、クールビズなどの服装で良いでしょう。最近は面接室のエアコン温度も高めに設定されていることが多く、面接をする職員もクールビズの服装をしていることがほとんどです。そのため、クールビズで面接を受けても何ら問題はないといえます。
ただし、もし心配であればジャケットやネクタイを持参していけば、スーツ着用の人が多かった場合など対応することができます。
また、公務員試験だけではありませんが、面接を受ける際は半袖ではなく長袖のシャツを着用しましょう。暑い時期は背中や袖がしわになりやすいので、前日にしっかりとアイロンをかけておくことがポイントです。なお、どんなに暑くても腕まくりは控えましょう。
シャツの色は男性・女性ともに白の無地がおすすめです。第一ボタンは外しても問題ありませんが、きちんと感を出すにはできればすべて留めておくと良いでしょう。
髪型や身だしなみも意識する
公務員試験の二次試験で面接を受ける際には、スーツに合わせた髪型にすることや清潔感のある身だしなみにすることなども意識しましょう。
髪型は男性・女性とも耳やおでこを出してすっきりとした印象を与えられるようにすると良いでしょう。
また、髪の毛の色があまりにも派手過ぎる場合は、色を戻すか落ち着いた色に染め直すなどすると良いでしょう。もちろん、寝癖は直すことや整髪剤の付けすぎなどにも注意しましょう。
また、公務員試験の面接に臨む前までに汗をかいてしまった場合に備えて、替えのインナーを持参するのもおすすめです。ほかにも、汗拭きシートや制汗スプレーなどを利用して汗対策をしておくと、汗のにおいなどを気にせずに公務員試験の面接に集中できるでしょう。
面接で避けるべき服装

ここまで、公務員試験を受ける際の服装について詳しく解説してきましたが、「これだけは避けるべき服装やスタイル」について以下にまとめてみました。
- 奇抜な色や柄の服装
- タンクトップや胸の開いたトップスなど露出の多い服装
- ジャージやスウェットなどの部屋着
- 派手なアクセサリーやネイルなど
- サングラスや革ジャンなど
- 香りの強い香水や整髪剤 など
公務員試験の一次試験(筆記試験)では自由な服装でも可能となっていますが、上記のような服装を着用し悪い意味で目立ちすぎてしまうと、二次試験の面接で不利になる可能性がないとは限りません。
公務員試験を受験することは就職活動のひとつといえるので、ジネスシーンに適した服装を心がけましょう。
受験票や面接カードの写真用の服装は?
公務員試験に使用する受験票や面接カードには証明写真を貼付しますが、その際の服装選びも迷うところです。スーツが良いのか私服でも良いのかどちらが適しているのでしょうか。
結論からいうと、公務員試験用の受験票や面接カードに貼付する写真の服装も、スーツを着用することが望ましいです。受験票や面接カードは、公務員試験の二次試験に行われる面接を意識した服装が良いでしょう。できれば髪型も当日の面接と同じようにセットすると良いでしょう。
もちろん、服装が私服だからといってそれだけで落ちてしまうということはありませんが、受験票や面接カードの写真は面接官にとって第一印象となるものです。公務員試験にふさわしくない服装でだらしない髪形だった場合、第一印象はマイナススタートとなってしまう可能性もあります。
証明写真を撮る際の服装も、スーツで好印象を与えるようにしましょう。
まとめ
公務員試験を受験する際の服装は、一次試験(筆記試験)と二次試験とで異なります。
一次試験(筆記試験)は私服で受験する人が多いですが、派手な色や柄、デザインの服装や露出のある服装、だらしのないイメージを与える服装などは避けましょう。
また、面接が行われる二次試験ではスーツの着用が必要です。20代の人はリクルートスーツが、社会人枠で受験する人はビジネス向けのスーツがふさわしいです。
男性女性共に、清潔感があり堅実さが伝わるような服装選びをすることがポイントです。