エリート公務員を目指せる国家総合職
国家総合職は、旧国家I種の相当する公務員試験の中でも最も難易度が高い試験と言われています。
合格率も5~6%台と非常に低く司法試験や公認会計士と並ぶ難しさで、受験者も東大・京大をはじめとした一流大学の学生ばかりの高学歴が目立つ試験となっています。
国家総合職はキャリア官僚と言われ、霞ヶ関の中央省庁で国の政策立案や法律の制定など国の運営を担う国家公務員の中でも幹部候補として行政の中枢を担う役割を期待されています。
官僚の主な仕事は、経済・社会保障・金融などの分野において国民が豊かになる制度を作り社会に貢献する役割を担います。つまり、国の仕組を作り社会システムを整備していくスケールの大きな仕事です。
さらに、昨今の国際社会の発展により官僚の活躍の場はグローバルに広がっています。諸外国との経済協力や通商協定など日本の国益のために官僚の役割はますます重要になってきています。
国家総合職の魅力
国家公務員総合職の魅力は昇進のスピードが挙げられます。将来各省庁のリーダーとして幹部候補のコースを歩み、早いうちから人事異動を繰り返し幅広い知識やスキルを習得していきます。
国家総合職の給与は30歳で約600万円、40歳になると約1,000万円と民間に比べてかなり高額とは言い切れませんが安定して高水準の収入が期待できます。
さらに、公務員は福利厚生の充実と高い退職金があるので経済的にはかなり裕福になると言われています。
初任給与額 (例:東京都特別区)
【院卒者試験】 | |
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行政職員 | 240,248円 |
研究職員 | 256,886円 |
警察官等 | 268,332円 |
【大卒程度試験】 | |
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行政職員 | 213,816円 |
研究職員 | 229,864円 |
警察官等 | 239,658円 |
国家総合職の試験概要
受験資格(平成26年度)
- 【院卒者試験】・・・昭和59年4月2日以降生まれの者で次に掲げる者
-
- 大学院修士課程又は専門職大学院の課程を修了した者及び平成27年3月までに大学院修士課程又は専門職大学院の課程を修了する見込みの者
- 人事院が1に掲げる者と同等の資格があると認める者
- 【大卒程度試験】
-
- 昭和59年4月2日~平成5年4月1日生まれの者
- 平成5年4月2日以降生まれの者で次に掲げるもの
- ①大学を卒業した者及び平成27年3月までに大学を卒業する見込みの者
- ②人事院が上記①に掲げる者と同等の資格があると認める者
国家総合職の試験科目および内容(平成26年度)
試験 | 試験種目 | 解答題数 | 解答時間 | 配点比率 | 内容 |
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第一次試験 | 基礎能力試験(多肢選択式) | 30題 | 140分 | 2/15 | 公務員として必要な基礎能力(知能及び知識)についての筆記試験 【知能分野24題】 文章理解(8題)、判断・数理的推理(資料解釈含)(16題) 【知識分野6題】 自然・人文・社会(時事含)(6題) |
専門試験 (多肢選択式) |
40題 | 210分 | 3/15 | 各試験の区分に応じて必要な専門的知識の筆記試験 | |
第二次試験 | 専門試験 (記述式) |
行政:3題 法律:2題 |
行政区分:240分 法律区分:210分 |
5/15 | |
政策課題討議試験 | なし | 約90分 | 2/15 | 課題に対するグループ討議によるプレゼン能力やコミュニケーション力などについての試験 6名1組のグループを基本に実施 レジュメ作成(20分)→個別発表(1人3分)→グループ討議(30分)→討議を踏まえて考えたことを個別発表(1人2分) |
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人物試験 | なし | 非公表 | 3/15 | 人柄、対人的能力についての個別面接 |
国家総合職過去3年間の試験データ(2010~2012)
年度 | 試験区分 | 受験者数 | 一次合格者数 | 最終合格者数 | 倍率 | 採用予定数 |
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2010年 | 法律職 | 8,005 | 918 | 453(126) | 17.7 | 180 |
経済職 | 1,947 | 440 | 221(27) | 8.8 | 90 | |
行政職 | 4,315 | 83 | 35(6) | 123.3 | 10 | |
2011年 | 法律職 | 7,711 | 952 | 458(114) | 16.8 | 165 |
経済職 | 2,097 | 455 | 249(38) | 8.4 | 90 | |
行政職 | 4,744 | 86 | 39(6) | 121.6 | 10 | |
2012年 | 法律職 | 7,513 | 777 | 418(117) | 18.0 | 145 |
経済職 | 1,972 | 395 | 219(32) | 9.0 | 75 | |
政治・国際 | 2,038 | 59 | 26(8) | 78.4 | 5 |
※2010・2011年度は旧国家試験Ⅰ種のデータ
平成25年度国家総合職大学別合格者 (括弧は平成24年度)
順位 | 大学名 | 合格者数 | 順位 | 大学名 | 合格者数 |
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1 | 東京大学 | 454人(412) | 11 | 一橋大学 | 38人(35) |
2 | 京都大学 | 172人(117) | 12 | 中央大学 | 35人(23) |
3 | 早稲田大学 | 105人(103) | 13 | 名古屋大学 | 31人(20) |
4 | 慶應義塾大学 | 91人(81) | 14 | 大阪市立大学 | 27人(15) |
5 | 東北大学 | 74人(55) | 15 | 岡山大学 | 24人(30) |
6 | 北海道大学 | 70人(46) | 16 | 神戸大学 | 22人(18) |
7 | 大阪大学 | 67人(44) | 17 | 広島大学 | 20人(13) |
8 | 九州大学 | 62人(40) | 17 | 立命館大学 | 20人(22) |
9 | 東京理科大学 | 56人(27) | 19 | 同志社大学 | 18人(7) |
10 | 東京工業大学 | 45人(27) | 20 | 筑波大学 | 17人(7) |