国税専門官
国税専門官は、税務のスペシャリストとして活躍する専門職の国家公務員です。
国税専門官は国税調査官・国税徴収官・国税査察官3つの職業の総称です。
国税調査官は適切な申告が実施されているか納税者を調査・指導します。国税徴収官は税金の督促・納税指導・延滞処分を行ないます。そして国税査察官は悪質な脱税の疑いのある者に対して強制捜査・差し押さえ・告発を行ないます。
国税専門官は、キャリア組みではないので国税庁をはじめ地方局の管理職は、財務省や国税庁の幹部候補が占めているのが実情です。
しかし、高度な法律や会計の知識を駆使して国の税制を第一線で支えるとてもやり甲斐のある仕事です。難易度は国家一般職(大卒程度)と同じくらいだと言われています。
国税専門官の魅力
国税専門官は、大卒程度で受験資格が与えられる国家公務員なので、安定した高い給与が期待できます。
その上、通常の国家公務員よりも年収が10%程度高い傾向にあるので、初年度年収も370万円程度と高めに設定されています。平均年収も650万円以上と高いですが、国税庁勤務の場合は残業が多いです。ただし、税務署勤務の場合は比較的残業が少ない傾向にあります。
さらに、国税専門官は税理士資格が取得できるので退職後も会計事務所などで活躍する人も多くいらっしゃいます。
初任給与額の比較 (例:東京都特別区)
【大卒程度試験】 | |
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国税専門官 | 233,050円 |
行政職員 | 203,196円 |
研究職員 | 208.742円 |
警察官等 | 236,000円 |
国税専門官の試験概要
受験資格(平成25年度)
- 昭和58年4月2日~平成4年4月1日生まれの者
- 平成4年4月2日以降生まれの者で次に掲げるもの
- ①大学を卒業した者及び平成26年3月までに大学を卒業する見込みの者
- ②人事院が①に掲げる者と同等の資格があると認める者
国税専門官の試験科目および内容(平成25年度)
試験 | 試験種目 | 解答題数 | 解答時間 | 配点比率 | 内容 |
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第一次試験 | 基礎能力試験(多肢選択式) | 40題 | 140分 | 2/9 | 公務員として必要な基礎能力(知能及び知識)についての筆記試験 【知能分野27題】 文章理解(11題)、判断・数理的推理(資料解釈含)(16題) 【知識分野13題】 自然・人文・社会(時事含)(13題) |
専門試験 (多肢選択式) |
70題 | 140分 | 3/9 | 国税専門官として必要な専門的知識などについての筆記試験 【必須】 2科目16題(民法・商法・会計学(簿記含む)) 【選択】 次の9科目54題(各6題)から4科目24題選択 (憲法・行政学、経済学、財政学、経営学、政治学・社会学・社会事情、英語、商業英語、情報数学、情報工学) |
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専門試験 (記述式) |
1題 | 80分 | 2/9 | 国税専門官として必要な専門的知識などについての筆記試験 次の5科目(各1題)のうち1科目選択 憲法、民法、経済学、会計学、社会学 |
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第二次試験 | 人物試験 | 非公表 | 非公表 | 2/9 | 人柄、対人的能力についての個別面接 |
身体検査 | 非公表 | 非公表 | 非公表 | 主として胸部疾患、尿、その他一般内科系検査 |
国税専門官の試験地
1次試験地 | ||||||
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札幌市 | 盛岡市 | 仙台市 | 高崎市 | さいたま市 | 東京都 | 新潟市 |
松本市 | 名古屋市 | 金沢市 | 京都市 | 大阪市 | 松枝市 | 岡山市 |
広島市 | 高松市 | 松山市 | 福岡市 | 熊本市 | 鹿児島市 | 那覇市 |
2次試験地 | ||
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札幌市 | 仙台市 | さいたま市 |
東京都 | 名古屋市 | 金沢市 |
大阪市 | 広島市 | 高松市 |
熊本市 | 鹿児島市 | 那覇市 |
国税専門官の試験実施状況(括弧内数字は女性)
年度 | 受験者数 | 一次合格者数 | 最終合格者数 |
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2011年 | 19,616(6,183) | 3,799(1,024) | 1,916(570) |
2012年 | 19,074(5,767) | 3,404(876) | 1,662(487) |
2013年 | 17,114(4,969) | 4,608(1,168) | 2,539(723) |