防衛省専門職員
防衛省専門職員は、語学を駆使したり海外情報の収集・分析を行なうなど防衛省の行政職において中堅職員として活躍する特別職の国家公務員です。
これまで防衛省は独自に職員を採用していましたが、2012年の新試験制度の導入に伴い防衛省職員採用Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ種を廃止し、人事院が実施する国家総合職および国家一般職の合格者から採用することになっています。
だたし、防衛省職員採用Ⅱ種については、防衛省が引き続き防衛省専門職員として採用試験を行なっています。
防衛省専門職員は自衛官のように武器を持って訓練をすることは無く、「制服組」と呼ばれる自衛官と違い、防衛省職員は「背広組」と言われています。
防衛省専門職は2つの試験地区「語学」と「国際関係」を設けており、語学は内部部局で主に諸外国との交渉、国際会議の通訳、甲斐が資料の収集・分析など高度な外国語能力が求められます。
いっぽう、国際関係は、情報本部において、主として国際関係、地域情勢、軍事情勢などの収・分析に関する業務に従事することになります。
難易度は国家一般職(大卒程度)と同じくらいの難易度を誇り独学では厳しいレベルではあります。多くの受験生は資格専門学校や資格の予備校の公務員講座を利用して学習しています。
防衛省専門職員の魅力
防衛省専門職は、国家一般職(大卒程度)に相当するため給与も同水準の額が保証されています。また、地方の幹部として活躍したり、中堅職員として得意な語学を活かして幅広く活躍することが期待できます。
防衛省専門職員の初任給は大卒程度の20万円ほどになっており、他の一般職の国家公務員と同じくらいで安定しています。
さらに、公務員は各種手当てに加え福利厚生の充実と高い退職金があるので経済的にはかなり裕福になると言われています。
初任給与額 (例:東京都特別区)
【2012年度4月現在】 | |
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初任給 | 203,196円 |
扶養手当 | 月13,000円 |
住居手当 | 月27,000円 |
通勤手当 | 月最高55,000円 |
賞与 | 3.89ヶ月分 |
防衛省専門職員の試験概要
受験資格(平成25年度)
- 21歳以上30歳未満の者
- 21歳未満の者で次に掲げるもの
- 大学を卒業した者及び試験年度の3月までに大学を卒業する見込の者並びに防衛省がこれらの者と同等の資格があると認める者
- 短期大学又は高等専門学校を卒業した者及び試験年度の3月までに短期大学又は高等専門学校を卒業する見込の者並びに防衛省がこれらの者と同等の資格があると認める者
防衛省専門職員の試験科目および内容(平成25年度)
試験 | 試験種目 | 解答題数 | 解答時間 | 内容 |
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第一次試験 | 基礎能力試験(多肢選択式) | 40題 | 140分 | 公務員として必要な基礎能力(知能及び知識)についての筆記試験 |
専門試験 (記述試験) |
非公表 | 120分 | 各試験の区分に応じて必要な専門的知識などについての筆記試験 |
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専門試験 (多肢選択式) 【国際関係のみ】 |
1題 | 90分 | 国際関係のみ多肢選択式の専門試験を実施 | |
論文試験 (記述式) |
1題 | 60分 | 課題に対する総合的な判断力、思考力及び表現力についての筆記試験 (一般論文又は時事論文) |
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第二次試験 | 口述試験 | 非公表 | 非公表 | 人柄、対人的能力についての個別面接 |
身体検査 | 非公表 | 非公表 | 主として胸部疾患、尿、その他一般内科系検査 |
防衛省専門職員の平成24年度試験実施状況
試験区分 | 申込者数 | 最終合格者数 |
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語学(英語) | 250(140) | 49(33) |
語学(朝鮮語) | 17(13) | 5(5) |
国際関係(英語) | 213(70) | 22(9) |
国際関係(中国語) | 34(16) | 5(2) |
国際関係(朝鮮語) | 15(4) | 4(0) |
※括弧内は女性をない数で示しています。